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■対急戦矢倉必勝ガイド

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対急戦矢倉必勝ガイド
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マイコミ将棋BOOKS
対急戦矢倉必勝ガイド
[総合評価] BA

難易度:★★★★

図面:見開き4枚
(復習)見開き2問
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き

【著 者】 金井恒太
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
発行:2010年8月 ISBN:978-4-8399-3463-7
定価:1,470円(5%税込) 224ページ/19cm


【本の内容】
第1章 右四間飛車 ・右四間飛車 基本図まで
・中川流右四間
・△3二銀型右四間
・△3二金型右四間
・復習問題=8問
52p
第2章 原始棒銀 ・原始棒銀
・復習問題=4問
22p
第3章 米長流急戦 ・米長流急戦 基本図まで
・米長流速攻型
・米長流本格型
・復習問題=8問
48p
第4章 矢倉中飛車 ・矢倉中飛車
・復習問題=6問
36p
第5章 5筋交換型 ・5筋交換型
・復習問題=8問
62p

◆内容紹介
本書は後手の急戦矢倉に負けないように、先手の対策を詳しく述べた本です。
3七銀戦法や森下システムなどの本格的な相矢倉を勉強しても、後手からの急戦に対応できなければ、せっかくの知識が役に立ちません。実戦に現れやすい右四間、棒銀、米長流急戦、矢倉中飛車、そして最近プロ間でも流行している5筋交換型の対策を取り上げましたので、この一冊で急戦矢倉対策を万全にしてほしいと思います。
各章の最後には、講座の中の重要な指し手を問う復習問題を用意しました。本書を読んで、自信を持って矢倉を指してください。


【レビュー】
急戦矢倉の定跡書。

矢倉の本流といえば、▲3七銀戦法から派生する▲4六銀型と加藤流、それに加えて森下システムなどがある。いずれも、ガッチリと駒組みし、すべての駒を使おうとする本格戦法だ。ただし、先手が矢倉を志向したからといって、必ずしも本格型に持ち込めるわけではなく、後手からの急戦がある。近年は矢倉後手番にかなりの閉塞感があり、本格型になる前に急戦を仕掛けるケースも多い。アマチュアならなおさらである。

本書は、先手で本格型の矢倉を指したい人のために、急戦対策を指南する定跡書である。

後手急戦矢倉の本としては、最近では『変わりゆく現代将棋(上)』『変わりゆく現代将棋(下)』(いずれも羽生善治,MYCOM,2010.04)があるが、内容は凄いが読みにくい上に難しく、また10年前の連載をまとめたものであるため、最近の新手法についてはノータッチという難点があった。

また、もう少し古いものでは『康光流現代矢倉V 急戦編』(佐藤康光,日本将棋連盟,1997)や『急戦でつぶせ ヤグラがなんだ』(田中寅彦,MYCOM,1988)などがある。やや新しいものでは『矢倉急戦道場 棒銀&右四間』(所司和晴,MYCOM,2002)がある。

本書で扱っている戦法のうち、原始棒銀・米長流急戦・矢倉中飛車については10年間で大きな進化はなく、これまでの知見を分かりやすくまとめたものといってよい。右四間飛車については、『矢倉急戦道場 棒銀&右四間』以降に「瀬川流奇手」などがあり、少し進化している。

一番大きな変化を見せたのは5筋交換型。これもかなり以前からある戦型で、郷田流や阿久津流などと呼ばれていたが、しばらく大きな進化はなかった。それが、2008年冬の竜王戦(渡辺vs羽生)で渡辺が大きな新手を2つ出して勝利したことで、定跡が大きく動き始めた。本書では、旧来からある変化と、渡辺新手以降の変化について詳しく書かれており、今のところ代替棋書もない。

各章の構成は次のような感じ。まず、最初の2ページくらいで、戦法の概要と狙い筋、成立の条件(5手目▲6六歩or▲7七銀)などを解説。次に初期の急戦成功例から徐々に先手の対策について検討していく。「対急戦矢倉必勝ガイド」というタイトルとは裏腹に、かなり公平な解説になっていて、一方的なココセは少ない。最終的には「ほぼ互角」or「金井の見解ではやや先手良し」くらいの局面で終わることが多い。章末には見開き2問の復習問題が添えられていて、時間がないときは復習問題を見ていけばおおまかなポイントが分かるようになっている。

個人的には、本書の印象はかなり良い。数少ない後手急戦矢倉の本であるし、自分で指すときの参考にもなるし、プロ将棋の観戦ガイドにもなりそうだ。タイトルを見て敬遠していた人も、ぜひ検討対象に入れてほしい。

ただ、残念だと思うのが復習問題。計34問=68pで、全体の1/3近くも占めている。まとめであれば、「羽生の結論」(『羽生の頭脳』シリーズにおける各章冒頭でのまとめ)のようなものがあればよい。復習問題のページを△6二飛戦法に充ててほしかったと思う。(2010Sep08)

大きな勘違いをしていました。復習問題は計34問=34pで、全体の約1/7でした。これなら本文の分量も十分だと思いますので、評価をBからAに変更します。大変申し訳ございませんでした。m(_ _;)m(匿名希望さん、ご指摘ありがとうございます)(2012Jan30追記)


※誤植・誤字(第1版第1刷で確認)
p45 ×「第50図以下の指し手」 ○「第50図以下の指し手A」
p66 ×「第4図以下の指し手」 ○「第4図以下の指し手B」
p204 ×「第48図以下の指し手A」 ○「第47図以下の指し手A」
p207 ×「第47図以下の指し手A」 ○「第47図以下の指し手B」
p210 第59図 ×△6一金がない

※各章のチャートを貼付しておくので、参考にしてください。







【関連書籍】

[ジャンル] 
矢倉
[シリーズ] マイコミ将棋BOOKS
[著者] 
金井恒太
[発行年] 
2010年

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